アンジェロの薔薇

白い薔薇

沢山のアンジェロ達

ある時友人の息子が一匹の赤ちゃん猫を拾ってきました。
それが私の友人の里親の始まりでした。
それから何代にも継ぐわんこちゃんや猫ちゃん達 すべて里親からの子達でした。

名前は猫ちゃん犬ちゃん共に全て同じ名前!
アンジェロ

だからおうちの中には、沢山のアンジェロ達が眠っています。
しかもご主人のお部屋に ずらりと過去の子たちの位牌が並べてあります。

お友達のお家のお庭には薔薇の木が植えてあります。
13年前に何代目かのアンジェロがお空に逝ってしまった時、友人は余りの悲しさで呆然と街中を歩いていたそうです。

泣きながら歩いていると、近くの小さなお寺に小さな縁日が出ていて小さな薔薇の苗が売っていました。そして苗を買って自宅の庭に植えました。
苗にアンジェロの薔薇と付けました。

それからアンジェロの薔薇は沢山の薔薇のつるがおうちを囲むようになりました。
今では毎年5月には大きなホワイトクリーム色のビロードの薔薇が初夏の日差しを浴びていっぱい咲きます。

近隣の方々もその見事な薔薇をアンジェロの薔薇と呼びます。そしてアンジェロの薔薇の木の下で《今年も見事に咲いたね》と、見に来られるそうです。
沢山のアンジェロは薔薇となり10年を超えておうちを守ってくれています。

お家を囲む沢山のアンジェロの薔薇、今も友人の心に生き続ける沢山のアンジェロ達 心温まるお話です。

最後のアンジェロ君

里親で迎い入れた中型犬のアンジェロ君のお話

4年前お空に逝ったアンジェロ君は13歳の時、前肢の脇辺りに腫瘍が出来ました。
命の宣告は6ヶ月でした。
それは7月のこと、手術をしても1年から1.5年と言われママはとても悩みました。

お友達に同じ宣告されたママが居て1年でも良いから延命して欲しいと手術を選択しました。
だけど本当に1年でお空に逝ってしまいました。
お友達は手術したことに、とても後悔していると言われ、アンジェロママは手術をしない選択をしました。

そして夏から秋に差し掛かった頃、アンジェロ君は体重も20kgの体重が15kgと減っていき、宣告の時期の半年を迎えた頃に末期を迎えました。

ママは飲食店をご主人と営んでいて、定休日が毎週月曜日です。
アンジェロ君はその定休日を待っていたように月曜日に亡くなりました。
宣告されたのが7月。亡くなったのが12月19日でした。

ある時、火曜日に飲食店の看板の電気が消えていたので、もしかしたらアンジェロ君が亡くなったのではと心配になり、自宅に夜電話をしてみました。

ママ達の定休日にママとパパに見守られるように、アンジェロ君はお空に逝ったそうです。
そしてお風呂場できれいにアンジェロ君を洗って上げて埋葬しました。
翌日の水曜日はお店を開けるとの事だったので、寂しくないように、友達とみんなでお店に食事に行くから頑張ってと伝えました。

ママは白のお花が好きなので全て白の薔薇でブーケを注文しました。
その夜、可愛いブーケを持って我が家の愛犬と共にママのお店に食事に行きました。
水曜日の飲食店は比較的どこも空いているんです。
ママのところも水曜日はお客さん少ないんですが、なんとその日は満員だったんです。
アンジェロ君がお客様を沢山呼んでくれたんですね。

私はママに≪良かったねぇ・アンジェロ君がママ達が寂しくないようにお客さん、呼んでくれたんだね≫と伝えました。
本当にアンジェロ君がありがとうと言っているようでした。
そして何代も続いたアンジェロはこれで終わりにしたいとママが言ってました。

次の年の5月にいつものようにママのお庭に大きな薔薇が沢山咲きました。
アンジェロの薔薇が咲いたから見に来てと連絡があったので、我が家の愛犬達を連れてご自宅にお邪魔しました。

本当に大きくてビロードのように厚みがあり、どれも可愛くて沢山のアンジェロの薔薇が咲いてました。アンジェロの薔薇はママのおうちを包むように薔薇のツルで囲んでいて、それはとても見事な薔薇でした。
とても心に残る一日でした。

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